フィリピンで法人設立を進める際、多くの企業が苦戦するのが「法人口座開設」です。
日本では会社設立後に比較的スムーズに口座開設できるケースも多いですが、フィリピンでは銀行ごとに審査基準が異なり、必要書類や対応方法も大きく変わります。
特に近年は、マネーロンダリング対策やKYC(本人確認)の強化により、以前より審査が厳しくなっているケースも少なくありません。
この記事では、フィリピンで法人口座を開設する際の一般的な流れや、実務上の注意点について解説します。
一般的には、以下のような流れで進みます。
- 1. 法人設立(SEC登録)
- 2. BIR登録
- 3. 必要書類準備
- 4. 銀行選定
- 5. 面談・審査
- 6. 初回入金
- 7. 口座開設完了
重要なのは、銀行口座開設は「SEC登録直後にすぐ完了する」とは限らない点です。
法人設立・BIR登録を進める
銀行側では、法人が正式に存在していることを確認するため、SEC書類やBIR関連書類の提出を求められます。
主に必要となるもの
- SEC Certificate
- Articles of Incorporation
- By-Laws
- General Information Sheet(GIS)
- BIR関連書類
- Mayor’s Permit
- オフィス契約書
銀行によって必要書類は異なります。
銀行を選定する
フィリピンでは、銀行ごとに審査方針がかなり異なります。
同じ書類でも、
- 開設できる銀行
- 追加確認が入る銀行
- 日本人のみでは厳しい銀行
など差があります。
主な確認ポイント
- 日本人株主比率
- 資本金
- 事業内容
- オフィス有無
- 現地運営体制
- 入出金予定
面談・KYC(本人確認)
多くの銀行では、口座開設時に面談があります。
特に外国人株主が含まれる場合は、事業内容や資金の流れについて説明を求められるケースがあります。
よく聞かれる内容
- どのような事業か
- なぜフィリピンで行うのか
- 主要取引先
- 月間売上見込み
- 入金元
- 日本との関係
実務上のポイント
実際には、
- ・回答内容が曖昧
- ・事業説明が不十分
- ・オフィス実態が弱い
などで審査が長引くケースもあります。
初回入金・口座有効化
審査通過後、初回入金を行い、正式に口座が有効化されます。
銀行によっては、
- ・最低預金額
- ・Maintaining Balance
- ・オンラインバンキング設定
などの条件があります。
フィリピン法人口座開設でよくある注意点
日本人だけでは進めにくい場合がある
銀行によっては、現地担当者やフィリピン人役員との連携を求められるケースがあります。
また、現地住所やオフィス実態確認を重視する銀行もあります。
銀行ごとに対応が大きく異なる
フィリピンでは、
- ・支店ごと
- ・担当者ごと
で案内内容が異なることも珍しくありません。
そのため、
「他銀行では問題なかった書類が通らない」
というケースも実際にあります。
現地渡航が必要になるケースもある
オンラインだけで完結できるケースは限定的です。
特に、
- ・署名
- ・面談
- ・本人確認
などで、現地対応が必要になる場合があります。
法人口座開設は「法人設立後すぐ」が理想
実務上、口座開設は後回しにすると営業開始に影響が出るケースがあります。
例えば:
- ・入金先が作れない
- ・取引開始できない
- ・BIR関連処理が進まない
- ・決済導入が遅れる
そのため、法人設立と並行して準備を進めるのがおすすめです。
実際には「銀行選び」がかなり重要
フィリピンでは、
- ・業種
- ・外国資本比率
- ・資本金
- ・オフィス状況
によって、相性の良い銀行が変わります。
特に飲食店、IT、BPOなどでは、事業内容説明の仕方によっても審査スピードが変わるケースがあります。
まとめ
フィリピンでの法人口座開設では、
- ・SEC登録
- ・BIR登録
- ・書類準備
- ・銀行選定
- ・面談対応
まで含めて準備することが重要です。
また、日本と比較すると銀行審査の進め方や必要書類が異なるため、事前整理が非常に重要になります。
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